第76回 同窓会総会報告
開催日時:2026年4月29日(水) 10時から14時30分
開催場所:岸和田市立浪切ホール 4階特別会議室
総会講演:佐藤拓哉様 (高49回) 京都大学生態学研究センター教授
参加者 :152名(内訳:来賓〈校長、教頭ほか〉9名、講演者1名、同窓会員142名)
辻野同窓会副会長の開会宣言、全員で校歌斉唱(1番のみ)、黙祷に続き、岸本会長挨拶、植木校長挨拶の後、議事に移りました。
会長挨拶では、会長就任し4年目、2027年度には岸高創立130周年を迎えること、今年は、阪大医学部には2人が合格したこと、同窓会としては、学校に引き続き援助をして行くことなど話されました。また、講師の佐藤拓哉さんの紹介も有りました。
校長挨拶では、自己紹介として31回卒業、岸高校長を自ら希望して就任し、5年目になり、最後の1年を悔いの無いよう全力で臨むと強いお言葉がありました。最近の岸高生の学力低下が懸念されるが、学生達には、岸高に入り、学んだ事、クラブ活動を通して経験してきたことなど誇りを持って欲しいと常々訴えているとの話が有りました。
続いて、会則第7条の規定に則り、議長に岸本会長が選任され、次の5議案について各部会長から説明があり、審議、採決結果、満場一致で承認されました。
第1号議案:2025年度の活動報告及び会計報告
第2号議案:2026年度の活動計画及び予算案
第3号議案:役員人事
第4号議案:創立130周年記念事業について
第5号議案:同窓会会則の一部改訂について
各議案に関しましては、岸高同窓会HPに「第76回大阪府立岸和田高等学校同窓会総会議案書」として掲載されていますのでご参照下さい。
議事終了後、佐藤拓哉様(高49回)より、テーマ「森と川を結ぶ細い糸」~寄生虫ハリガネ虫の知られざる役割~について約1時間ご講演を頂きました。最初の自己紹介では、岸和田市大町出身、岸高ではサッカー部に所属。魚特にイワナが好きで奈良県の山奥に約1ヶ月野宿し研究した事があった。その時にハリガネ虫に興味を持ち研究を始めた。全ての事に
何故?と疑問を持ち、その疑問を解決して行くことが大事であるとのこと。 この講演には生物部部員10人が特別に参加、植木校長から男女の制服の紹介がありました。
詳細は、次項の総会講演要旨をご参照下さい。
総会終了後、前会長の新田谷修司様(高21回)の乾杯のご発声により、懇親会が始まりました。昭和43年岸高野球部が夏の大阪大会決勝で惜しくも興国高校に敗れ、甲子園の切符を逃したこと、興国高校は全国優勝したので岸高は全国2位なることなどを披露されました。途中のPRタイムでは、今年100歳を迎える方の紹介、落語、コンサートの紹介等があり盛り上がりました。久しぶりに会う同窓との会話が途切れること無く約2時間の懇親会は、辻野副会長の閉会の挨拶で終了しました。
総会講演内容
自己紹介私は岸和田高校49期生で、在学中はサッカー部に所属していました。当時は現在のように研究者を志していたわけではなく、大学進学後もしばらくは自由奔放な学生生活を送っていました。しかし、野外で生物を観察し、そのつながりを考えるフィールド生物学の魅力に惹かれたことが転機となり、生態学研究の道へ進みました。その後、カナダでの2年間の研究生活を経て、現在は日本の大学で教員として研究・教育に携わっています。
講演内容
本講演では、「宿主操作」をテーマとして、寄生生物が宿主の行動や形態をどのように変化させるのか、またそれが自然生態系にどのような影響を及ぼすのかについて紹介しました。
地球上の既知の生物種の約40%は寄生生活をするとも言われており、あらゆる野生動物は少なくとも一種以上の寄生生物に寄生されています。野生動物の多様な行動や形態の中には、寄生生物の影響を受けて表現されているものが数多く存在します。中でも、寄生生物が自らの感染成功率を高めるために宿主の行動を変化させる「宿主操作」は、生物学における興味深い研究テーマとなっています。
本講演では、ハリガネムシ類による宿主操作を中心に紹介しました。ハリガネムシは、森林や草原に生息するカマキリやバッタ類などの体内で成長し、繁殖のために水辺へ戻る必要があります。そのため、成熟したハリガネムシは宿主を操作し、水中へ飛び込ませる行動を引き起こします。こうして大量に入水した陸生昆虫は、河川に生息するサケ科魚類にとって重要なエネルギー源となり、河川生態系全体の構造や機能に大きな影響を与えることを明らかにした野外観察や野外操作実験の内容をお話しました。
おわりに
講演を通じて、寄生生物が単なる「害虫」や「病原体」ではなく、生物間のつながりや生態系の構造や動態に深く関わる存在であること、そして自然界の行動や生態を理解する上で重要な研究対象であることを紹介させていただきました。高校時代には想像もしていなかった研究の道へ進み、現在も自然の中で生物を追い続けている経験を通して、生物学の面白さや研究の魅力を少しでも伝えられていれば幸いです。




今までの講演者と演題
| 2026年度 | 佐藤拓哉 (高49回) 京都大学生態学研究センター教授 |
森と川を結ぶ細い糸~寄生虫ハリガネムシのしられざる役割~ |
|---|---|---|
| 2025年度 | 堤 一昭 (高31 大阪大学大学院人文科学研究所 教授) |
「モンゴル帝国の研究から」 |
| 2024年度 | 森田玲(高46 初代玲月流篠笛奏者) |
「神賑い民俗学―地車のルーツに迫る」 |
| 2023年度 | 安岡孝一(高35回 在校時物理部) |
「AI(人工知能)は漢文を読めるのか」 |
| 2022年度 | 河野 仁(高18回、山岳部OB) | 「地球温暖化と異常気象―自然エネルギー・省エネによる対策」 |
| 2021年度 | - | 新型コロナウィルス蔓延のため中止いたしました。 |
| 2020年度 | - | 新型コロナウィルス蔓延のため中止いたしました。 |
| 2019年度 | 笑福亭松枝[秦富雄(高21)] | 「『笑い』 の科学」 |
| 麻生典子(高39) | 「落語と教育」 | |
| 2018年度 | 上田一久(高41) | 「スリランカと野球~内戦を超えて。15年間の奇跡~」 |
| 2017年度 | 原 良也(高14) | 「資本市場に半世紀携わって」 |
